虚ろに笑む
- 2020/01/07 17:17
ONEPIECE/ロブ・ルッチネームレス夢
「お前は殺し甲斐がありそうだと常々思っていた」
日頃笑顔など見せたこともない職人肌の――否、プロフェッショナルの男が、犬歯をちらつかせた。足元から駆け上がった悪寒は、警戒心、そして衝動へと変わり、すぐさま逃げの一手を打つ。
だが、退避するよりも先に、より一層の悪寒が走ったと思ったときには、男の手は“見た目よりも”伸び、確実に首を締め上げていた。
咄嗟に吸い込んだ息は、カハ、という無様な音に変わる。
「……ル、ッ……」
吐息に紛れ、かろうじてこぼれた声で歪んだ彼の表情は愉悦に満ちた殺戮者の笑みで、――私が見たかったものとは、およそ色の違うものだった。